BLUE GIANT レビュー

BLUEGIANT

最近アニメーションが面白い。動画編集のEラーニング講座、After Effectでアニメーションのコマンドを学んでから、よりアニメが面白くなってきた。

音響設備が充実している映画館でジャズを志すトランペット奏者20歳前の青年を主人公に描いたBLUE GIANTを観た。

元々漫画の原作ファンで、主人公・宮本大のどこにでもいそうな等身大の若者像。懸命に修練を重ね楽器の演奏技術と共に人間的に成長を重ねていく姿に胸を打たれながら、読破していった。音の無い漫画という媒体で音楽を絵のタッチなどで表現するのは至難の業に思われる。BECKというロック少年の音楽漫画もあったが、何しろページから音が出てこないので、登場人物たちの音楽の凄さ、演奏技術、音楽の旋律を頭の中で読み手が各々想像しなければならない。その点、このBLUE GIANTという漫画は絵のダイナミズムやリズム感あふれるコマ割り、アングルによってまるで本物の音楽演奏をも凌駕するような異次元の表現に成功している。つまり、漫画の絵を見ていれば楽器の演奏なんて聴けなくても大満足してしまうような、錯覚を覚えてしまうのである。汗や涙のタッチと共に演奏の後は、大や他のバンド仲間、ピアニスト雪祈ドラマー俊二と一緒に読者も大きい爽快なカタルシスを覚えてしまう。原作の漫画は音楽漫画というジャンルの中でも十分な成功を収め、ジャズファンや楽器ファンをはじめ既にコアなファン層を獲得しているのである。

そして満を持しての映画化である。YOUTUBEかなんかの動画の間に差し込まれる告知で知ったのだが、いやー、これは参った!映画というよりはフツーに好きなアーティストのそこそこ大きなコンサートに行ったようなエモーションを感じずにはいられなかったよ。音楽にエモーションは大事でしょ!?っていうかエモ感じないと音楽とは言えないよね??エモーションの連続で自分の耳と意識を疑ったよ(笑)こいつらってこんな音楽を鳴らすのかよ・・・!馴染みの絵の中のキャラクター達が画面で動き出し、思いの丈を楽器にぶつけ、鳴り響く旋律。客のグラスに映った氷の中でサックス吹いてるってなんだよ、このかっこよさ。パッション!彼らの音がフツーにこの耳に聴こえていることに感動!・・・原作の漫画ファンならこの感想、すごく共感していただけると思う。絵での無音演奏イマジネーションを大いに超えてきやがった!どんなタイプの種類の感動だろう?自分の好きな小説や漫画がアニメとなり、画面で動き喋る時の感動、しかもそれが音楽となり聴こえるように具現化するとなると尚更だよね。音楽担当はあの上原ひとみだもんねー。そりゃ天才的な音楽に化すはこれは。楽器の面白さに取り憑かれたんだよなーこいつらは。どんな資質のないプレイヤーでも、投入した膨大な時間は裏切らないもんね。昨日よりも明らかに上手くなっている自分。いい音鳴らせている自分。そこに楽器の面白さはあるよねー♪大音響でJASSの演奏聞けてまさに俺、感無量。続編確実に演るんだろうなー♪ヨーロッパ編の方が断然好きなので、楽しみだ。今日はコルトレーンやデイビス、そしてサントラ聴きながら寝落ちするか。

BLUEGIANT 大


BLUEGIANT