Hello world!&アニメ版 MONSTER レビュー

刺激ブログ SPICE!
 

こんにちは。ハローワールド(笑)エディターKです。思い立ったが吉日。ついに念願のMy Blogを立ち上げてしまった。同じ対象でも喋る言葉と書く言葉では、表現の内容が全然異なる。そう気づくことが昔から悉くあった。表現と言葉の深淵さと神秘性に思いっきり潜りたくて、新しい自分を見つけたくてこうやって頭に浮かんだ思考を言語化してみる。書き終わってしばらくして客観的に読み直してみると、まるで自分の中に別の人間が私の頭と手を操って筆を動かしているのではないか?と驚くことがある。その感覚がまるで異種の自分に出会えたようですごく面白い。日常という怠惰な循環にちょっとした幾許かの刺激・スパイスを入れたい。それは自分再発見の長い旅のようだ。だからタイトルを「刺激ブログ SPICE!」とした。思い立ってすぐにやめてしまう事もたくさんあったが(笑)どうか暖かく見守っていただきたい。これから映画や漫画、音楽や演劇などアート全般に評論とは言わないまでも、自分が感じた感想の内容をつぶさに挙げていきたい。下手な文章表現に読み飽きてしまうこともあるだろうが、とりあえず頑張って初めてみるのでよろしくお願いします(笑)なお、語り口は自分の心の声ということなので敬語口調はやめておく。

最近高校時代にハマっていたある漫画のアニメをNETFRIXで全話観終えた(U-NEXTでも観れるで是非会員登録検討を)。なんだこの得体の知れないカタルシス・・・。衝撃的に面白かったので投稿しておく。記念すべき第一回目の投稿だ。

 

その名も「MONSTER」

かなり前?20年位前、私が高校生の時ふと目に留まり、ハマって読んでいた浦沢直樹著の漫画作品。ドイツ在住日本人天才医師が急患で運ばれたある双子の少年を助けたことによって諸所の殺人事件の容疑に掛けられ、奇怪な少年の本性や数奇な生い立ちに翻弄されていってしまう、ドイツの歴史的政治的内情を織り交ぜたサイコサスペンスものの作品だ。美しい狂人に翻弄される、エリート医者街道まっしぐらだったはずのDr.テンマの落ちぶれっぷりに胸が締め付けられる。髭もじゃじゃ髪ボサボサで醜態曝け出す様は、黒沢清監督作品常連だった当時の役所広司を彷彿とさせる。その原因は全て頭に撃たれた弾丸を緊急手術で救ったヨハンの中に潜む、危険極まりない人間性の別名MONSTERのせいだ。このヨハンに容疑を掛けられ一方的にテンマがヨハンを追い、黒幕ヨハンが展開する闇の組織側、テンマ目線とヨハン目線の大きく分けて二重構造で物語が展開される。大ボス・ヨハンの残虐性カリスマ性は去ることながら、ヨハンや双子の妹ニナが何故このような境遇に堕としこまれてしまったのか推察しながら観ていくと頗る面白い。ナチスドイツのヒトラーの思想を想起させるような、権威主義の大人たちによる欲望によってある種の英才教育を施された子どもたち。時代性やドイツという国の戦時中の国家感などが色濃く群像劇の中にブレンドされていて、次々動画が観たくなる衝動に駆られてしまう。こんな気持ちになったのはホント久しぶりだ。いやー、面白かった!最後まで謎が残ったけど。最後の病室シーンは鳥肌が立ってしまったよ。オープニングとエンディングまさかの同じ展開!ですかー!と思わず叫びそうになってしまった。見事なロジックである。そしてテンマのなんと愚かなこと(笑)医者という職業柄、いやテンマという優しくて素晴らしい人間性を備えた医者だからこそ、ああいう判断になったのだろう。ニナに言われたとはいえ、普通救わないよ。だってなん人、人を殺めてんだよ。でもそこにこの物語の味わいがあるんだよなー多分。誰もが羨むような成功を掴む資質も環境も神から用意されているのに、金や地位など全く興味なくただただ目の前の苦しむ患者に真摯に向き合うテンマ。おいあんた、かっこよすぎんだろ!手塚治虫のブラックジャックとは違ったかっこよさだ。あっちは法外な医療費請求するからね(笑)無免許だし(笑)登場人物も皆どれだけ人生経験踏めばこんなバラエティーに富んだキャラクター捻り出せんだよと言わんばかりの充実ぶりである。ツインピークスに匹敵するんじゃないか?きっと浦沢先生もデイヴィッド・リンチフリークに違いない。婚約者のエヴァ。セレブ彼女の傍若無人ぶりとアル中のどうしようもないヤサグレ感に、ちょうどいい感じの抜け感をストーリーに生み出す。最後のキッチンスペシャリスト(?)になるかなんかの改心ぶりには拍子抜けして笑ってしまったが(笑)あんなにテンマのことを想っていたのに、案外簡単に違う男に気持ち乗り換えちゃうんだねという終盤でのツッコミも何だか愛おしい。エヴァ、あんたは最高にクレイジーで尖ったバカ女だったよ(笑)映画の登場人物にさせたらどこかの助演女優賞に輝くくらいのおいしい役どころだろう。冷酷無比のユンゲ警部も迫真の捜査展開を繰り広げ。あの人間性を感じさせないような低音ボイスが不気味すぎて、その趣はどこかヨハンと重なったな。個人的には、ジャーナリストのグリマーさんにベストアニメアクター賞を差し上げたいところだ。あんたの死に様、最高にかっっこよかったよ!ありがとう(泣)ユンゲ&グリマーの孤独な男同士の正義バディ感も、もっと期待したかったところだったが。フランツ・ボナパルタが描いた絵本「なまえのないかいぶつ」をもとに、511キンダーハイムで行われた彼らがいうドイツ国を救うための”真の征服者”量産計画に当時社会主義国ドイツのナショナリズム感、彼らの偏った執念が(あくまで資本主義国側から見ると)色濃く画面から滲んでくるようでエンタメの中に鋭いジャーナリズムを感じ取ることができた。全員面白いよ!これは絶対スピンオフとかアナザーストーリーをスクリーンで流すべきです!スラムダンクのように。。。お願いします浦沢先生!そしてまたスクリーンでアニメ観ながらいい歳こいたおっちゃんが、人目憚らず咽び泣くんだろうケド。

マスターキートンも未見で気になるところではあるが、まだまだこの作品を大いに味わい尽くしたい。そして俺はあの日からページが止まったままの、漫画「MONSTER」12巻を古い書棚から手に取るのであった。

無意識下に潜む自分の中のモンスターに誘われて。。。

 

 

 

 

 

 

 

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MONSTER

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