無料で1ヶ月「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」を一気見!

こわ


最近私は、今更になって「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」を一気に見てしまった。

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遅すぎ!とツッコミが聞こえてきそうだが。

基本的に心霊モノや極端な暴力シーンやグロ表現があるものが苦手で、特にこういった不協和音や特殊メイク、血糊などを過剰に演出した、視聴者を驚かすタイプの恐怖映像は、観ないようにしてきた。

だが、世の映画評論家たちがこぞってこちらの「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」に関して取り上げる。評価が著しく良く、内心気にはなっていた。この前の真夏に劇場公開され、巷では軽くムーブメントになっていた。

何がそんなに面白いのか?

このモヤモヤを解消するには、正直怖いけど、自分の脳できちんと理解するには、目で耳で全身でその面白さを体感するしかない。実際に観るしかない!

そしてついに、勇気を出して、シリーズの1作から律儀に全部観てみたのだ。しかし、まだ、最新作の劇場版、赤い女なるものはまだサブスクで配信されていない。というかDVD化もされていないので、もう少し我慢しよう。

解説

2012年から始まった、日本のオリジナルビデオシリーズ。題材は見てわかるように、心霊や都市伝説、怪奇現象などを扱っている。昔WOWOWで観ていたX-FAILの日本ドキュメンタリー版というか。実際は、モキュメンタリーなんだけど。デヴィッドドュガブニーのように紳士ではないが。

「ドキュメンタリー」は実際にあった具象や話を映像に捉えているが、「モキュメンタリー」という、出演している俳優に実際にドキュメンタリーぽく演技をさせ、まるで本当に現実で起きているような、あくまでドキュメンタリータッチに作品を作り上げていく手法。

観ている側は、その真に迫った俳優たちの自然な演技、素人投稿などから始まる身近な設定によって、臨場感溢れる映像を楽しむことができる。

小さい映像の制作会社で務める、破天荒で荒くれ者のディレクターと良識を持って真摯に仕事を進めようとする常識人であるアシスタント。このシリーズの監督でもある白石監督もカメラマン役として出演している。

毎回必ず彼らのもとに、説明のつかない怪奇現象に頭を悩ませる一般ユーザーから「素人投稿」として奇妙なビデオが事務所に届き、その映像を観ることから物語が始まっていく。

口裂け女や蛇女、コックリさんやトイレの花子さんなど、日本でお馴染みのアンダーグラウンドキャラクターたちを題材にしており、その点は親近感すら覚えるため、真相に迫っていくような探究心、没入感は特筆すべきだ。

そして、3人と投稿者たちは説明のつかない超常現象、異世界へと迷い込み、一つ一つ解決する様をスリリングに見せ付けられる。時には血飛沫巻き散る大乱闘にも発展するが(笑)

最近になってようやくサブスクが解禁された。1作目から10年近く月日が流れるが、コアなファン層を産み続けている。

登場人物

工藤仁/大迫茂生

工藤仁
映像制作会社のディレクター。いわゆる破天荒キャラ。女、子供、他人容赦ない。人間だけではなく、幽霊や超常現象に対しても暴力と恫喝で解決させようとする40前後の輩。はっきり言って、怖い(笑)でも、その対比がいつも映像をおもしろおかしくさせてくれる。

怖い場面なのに、この人のキャラクターや行動、言動が際立ち過ぎて、思わず吹き出してしまう。いざという時、非常に頼もしくも見える。・・・めちゃくちゃだが。

今まで人が観たことないような、映像を収めることに命を掛けており、その映像作品のヒットにより儲けることを企てている。競馬好きで儲けた分を経費扱いにし、ギャンブルに金を溶かしていることが、窺える。

とにかくこの人のキャラが強烈で、毎回この人の暴力大喜利を楽しく感じてしまう程だ。回を重ねるたびに、次はどんな波乱が起こるの?といった具合に、求めるようになってしまう。ドキュメンタリータッチで描いているため、実際、本当に殴ったり蹴ったいりしている。ここまでの本当ぽい暴力描写は久しぶりだ。昔テレビで観ていた、ガチンコを思い出してしまった。

しかし、後半のコックリさんの回では、夜な夜な学校を歩いている際、投稿した女子高生に脅かされびっくりして、腰を抜かす場面などがあり、意外にビビりの一面も覗かせる。

その男凶暴につきやソナチネあたりの、若き北野武を彷彿とさせた。北野作品に出演してくれないかなー。

正直、身近にこんな人がいたら大変だし、面倒臭いと思うが、いざという時は非常に頼もしくあり、登場人物たちが命を狙われたり呪われたりする際は、この人ならなんとかしてくれるという、安心感・傾倒感が生まれるから、不思議だ。いや、明らかにシリーズ全体のキーマンだ。

異質ずくめのシリーズ劇場版最終章において、出自の秘密や両親との関係が解き明かされるが、映像全体を面白くしてくれる、撮影隊を引っ張ってくれる、中心人物。

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市川美穂/久保山智夏

 

アシスタントディレクター。影の主役。基本的に工藤とこちらの市川が常に画面に映っている。工藤とは打って変わって、常識人。至って正論を捲し立ててくる。観ている側からすると一番感情移入しやすい、言うなら普通の感覚の持ち主。

工藤と対比させるためのキャラクター造形と推察されるが、シリーズ中盤では、市川自ら霊に呪われコントロールされてしまう。

今まで唯一正気を保ち、まともな意見で場の均衡を保っていた市川が、狂っている様は、痛快であった。それと同時に役者久保山智夏の高い演技力を感じた。

シリーズ終盤の方で、工藤と市川がなぜか入れ替わり、男のおっさんの役を演じていたり、工藤からいつも理不尽にパワハラをされていたり、大変そうだなーと心配にもなってきたり(笑)

こういった怖いタイプの企画モノには、女性の黄色い叫び声、阿鼻叫喚している女性の表情は重要なファクターである。その点、彼女の演技は恐怖要素を倍化させることに成功している。

なんにしても、パワハラ・暴力は受け続けるし、給料も安そうだし。行っちゃいけない所に行かなきゃなんないし。なんのためにこの会社で働いているのかなーとつい訝しがってしまう(笑)

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